窓は、外からの“光”を室内に採り込むために存在します。
窓は、外からの“風”を室内に採り込むために存在します。
この2つの機能を果たすために窓は存在しているのですが、
この2つの機能をしっかり果たしてもらうためには、
窓のつくり方を熟考する必要があります。
というのも、ただ単に窓をたくさんつくっただけで、
その機能がうまく果たせるわけではないからです。
むしろその機能を、
逆に殺してしまっているお家がたくさんあるし、
窓を多くつくればつくるほど、
無駄に建築コストがかさんでしまうだけだからです。
例えば、大きな窓をつくったとしても、
家の中が外から丸見えになってしまうとしたら、
そこにはカーテンを付けざるを得なくなってしまいますよね?
となると、カーテンが光を防いでしまうことになります。
また、その窓に防犯的に不安を感じてしまうとしたら、
そこにはシャッターを付けたくなってしまうし、
窓の向こうに障害物がなく風当たりが厳しそうだったり、
直射日光の厳しい日差しがたくさん入ってきそうだとしたら、
そこにはシャッターを付けたくなってしまいます。
そして、もしそのシャッターが、
ずっと閉められたままになってしまうとしたら?
ですよね・・
そこは壁があるのと同じなので、
そもそも、そこに窓をつくった意味がなくなってしまう
ということになります。
それゆえ、間取りを考える時には、
窓の機能を殺してしまうカーテンやシャッターを、
付けなくていいような窓の配置を考えなくてはいけません。
また、位置だけじゃなく、形やサイズ、
そして使用するガラスのことまで、
よく考えて設置していくようにします。
このように窓を考えていくと、
窓の本数を必要最小限に抑えることが出来ます。
そして、その結果、
窓にかかる建築コストを最小限に抑えることが出来るようになります。
また、カーテンを設置しなくていいように設計出来れば、
カーテン費用もいらなくなるので、
さらに建築コストを抑えることが出来ます。
✔️使えない窓をつくらないことによるさらなるメリット
その1:断熱性能が高くなる
窓が少なくなるということは、
イコール壁の数が多くなるということでもあります。
となると、窓よりも断熱性能に優れた断熱材が
施工される箇所がより多くなるということになります。
その結果、必然的に断熱性能は高くなります。
その2:収納力をよりアップさせやすくなる
窓が少なくなり、壁が多く出来るということは、
室内側も壁面積が増えるということになります。
となると、より収納を充実させやすくなります。
収納力は、いかに床面積を多くつくったか?
で決まるものではなく、
いかに壁面をうまく利用出来たか?
によって決まるものです。
それゆえ、収納をより充実させるためには、
収納の中によりたくさんの壁をつくってやり、
かつ天井までの高さを有効利用する必要があります。
また、収納だけでなく部屋にしても、
壁面をしっかりつくっておけば家具なども置きやすくなるし、
棚なども設置しやすくなり、余った空間をより有効利用しやすくなります。
その3:外壁を汚れにくく出来る
窓が少なくなることによる3つ目のメリットは、
外壁の汚れも少なく出来るということです。
というのも、外壁の汚れの最大の原因は窓だからです。
窓の上に貯まった土ぼこりが、
雨によって垂れ流されることによって出来る垂れジミです。
外から見て窓が少ない家は、
汚れも目立ちにくい家ということでもあります。
つまり外観を長く美しく保ちやすくなるし、
もっと長い目で見た時、
外壁の塗り替えにかかるであろうメンテンンス費用も、
より少なく抑えることも出来るようになります。
窓のつくり方に工夫ができれば、
以上のようなメリットをもたらしてくれるようになります。
窓がたくさんあるから、
明るくて開放的な家になるわけではありません。
窓がたくさんあるから、
風通しがいい家になるわけでもありません。
逆に、窓が少ないから、
暗くて閉塞感のある家になるわけでもありませんし、
風通しが悪い家になるわけでもありません。
この事実をご理解いただき、
より少ないコストで、
よりいい家を建てていただければと思います。