:事務手数料って何?
事務手数料は、住宅ローンの知識が少ない方は見落としがちですが、
かなり重要な住宅ローンの比較検討ポイントです。
住宅ローンの手続きにかかるのが、この事務手数料や住宅ローン代行手数料です。
金融機関ごとに大きな差があるので、事前によく確認しましょう。
事務手数料には、契約時に3万円~5万円程度を定額で払う一括支払い型と、
融資額の1~2%など、融資額に応じて支払うものの2パターンがあります。
前者の場合はわかりやすいのですが、注意したいのは後者の場合です。
:高額な事務手数料に注意
たとえば、融資額2,000万円、事務手数料が融資額の2.1%なら、
事務手数料は42万円と思いのほか高額になります。
融資額が3000万円なら、63万円の事務手数料です。
「金利の低さだけで選んでしまって、実際事務手数料をこんなに払うなら、
ネット銀行の住宅ローンで事務手数料5万円のほうがよっぽど良かった」
なんて話はよくあります。
一部金融期間が取り扱う民間ローンの中には、事務手数料を無料にしているところもあります。
また、フラット35は、取り扱いのある金融機関によって手数料が異なります。
支払う事務手数料などを金利負担に換算して融資金利と合計したものを実質金利といいます。
住宅ローンは、単純に融資金利で比較するのではなく、実質金利で選ぶ必要があるでしょう。
事務手数料とは別に、住宅を購入する不動産会社に住宅ローンの手続きを任せると、
住宅ローン代行手数料(住宅ローン斡旋料)がかかることがあります。
住宅ローン代行手数料は、不動産会社によって必ず請求されるとは限らず、
金額も会社によって差があります。
一般的には、10万円程度なのですが、中には50万円といった
法外な費用を請求する悪質な不動産会社もあるようです。
費用は事前によく確認し、あまりに高額の代行手数料を請求された場合は、
そうした業者からの購入を検討しなおすことも考えましょう。
:ネット銀行は事務手数料、大手都市銀行は保証料
また、諸費用を事務手数料だけで選んでしまっても返済負担が大きくなってしまいます。
というのも、
・ネット銀行は、事務手数料という形で5万円~融資額の2.1%という費用設定をしていますが、
その分保証料は無料。
・大手都市銀行は、事務手数料は3万円と定額ですが、保証料は金利を0.2%上乗せで
約50万円~150万円ほどの費用負担になるからです。
特に保証料の負担は、金利0.2%上乗せと一見、安そうに見えますが、
返済までにかかる費用が100万円を超えることも多いため、注意が必要なのです。
諸費用だけを考えればネット銀行の方がお得と言えます。
:負担の大きいローン保証料
諸費用のなかでもっとも負担の大きいローン保証料。
ローンを返済できなくなったときに備えて、ローン保証会社に支払うお金がローン保証料です。
マイホーム購入時にかかる諸費用の中でも特に大きな割合を占めます。
ローン保証料は、連帯保証人を立てずに住宅ローンの申し込みをするときに、
ローン保証会社に支払う費用です。
ローン保証料の支払い方法には、大きく分けて一括前払い型と利息組み込み型の2つがあります。
一括前払い型は、ローン契約時に保証料をまとめて支払う方法です。
:保証料は金利の0.2%。ただし、100万円以上の費用負担に。
利息組み込み型は、ローン保証料をローンの金利に組み込んで支払う方法で、
返済期間中、0.2%程度を金利に上乗せして払います。
利息組み込み型は、一時金がかからないのがいいところですが、
一括前払い型に比べて総返済額が多くなってしまうのが難点です。
結果として、「金利の低い住宅ローンを選んだのに、保証料が利息組み込み型で
0.2%ということは、保証料が無料のところの方が実質の金利は低くなっていた。」
ということも少なくありません。
借入額3000万円で35年間金利1パーセントで借入をした場合
・保証料無料の住宅ローンの場合 総返済額35,567,998円
・保証料金利に0.2%の住宅ローンの場合 総返済額36,754,487円
保証料のありなしで120万円も返済額が変わってくるのです。
:ネット銀行の住宅ローンは保証料が無料の場合が多い。
ローン保証料の金額は、金融機関がどこの保証会社を利用しているかや、
融資額、返済年数、返済方式などによって変わります。
また、一部には保証料無料のローンもあります。
ネット銀行の場合は、保証料が無料の場合が多いため、人気があります。
:保証料を払ったからといって、返済不能時に返済が免除されるわけではない。
万が一、ローンの返済ができなくなったときには、ローン契約者に代わって、
保証会社が残債を支払ってくれます。
しかし、返済が免除されるわけではありません。
ローン保証会社は残債を一括返済した後、ローン契約者のもとに資金を回収しにきます。
ここでお金が用意できなければ、住宅を競売や任意売却など処分して、返済を求められます。
つまり、ローン保証料は、ローン契約者のためというよりは、金融機関が
資金回収のリスクを負わないために支払っているもの。
その保証料をローン契約者が負担しているというわけです。
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