:非課税のはずが・・・失敗例に学ぶ住宅資金贈与

 

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これから新築をお考えの方は、資金の面で期待したいのは、

やはり身内からの援助ではないでしょうか。

 

 

贈与に関しては、ある一定の金額を超えたり所定の要件を満たさなければ贈与税がかかります。

しかし、知識があれば非課税にする方法がたくさんあります。

 

 

 

知識があっても、失敗してしまうこともあります。

 

 

たとえば、住宅資金の贈与の金額については規定を満たしていても

他の原因で課税されてしまうことがあります。

 

 

住宅取得資金の贈与に関しては、翌年の3月15日までに物件の引き渡しを受ける」という

要件を満たさないといけないのです。

 

詳細は後述します。

 

 

それでは、非課税で贈与を受けるために気を付けることをチェックしていきましょう。

 

 

 

 

 

 

:そもそも「申告せず」が86%!!

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国税庁では、毎年相続税の調査状況についてレポートで公表しています。

 

レポート名に「相続税の調査」とありますが、実はこの中で贈与税の

調査状況についても発表されています。

 

 

贈与税は、「相続税の補完税」とされており、相続税とは切っても切れない

関係にあるからです。

 

 

調査では、贈与税の無申告がなんと86.2%!!

 

申告していないにもかかわらず、ここまで探し当てるとはさすがです。

 

 

 

 

申告漏れの財産の内訳は次のように発表されています。

 

①現金・預貯金等・・・約107億円

 

②有価証券・・・約68億円

 

③その他・・・約31億円

 

④土地・・・約8億円

 

⑤家屋・・・約3億円

 

 

トータルでなんと約217億円もの申告漏れがあるというわけです。

 

しかも、その半分が「現金・預貯金等」となっています。

 

心当たりはありませんか?

 

 

 

そうです。

住宅取得資金の贈与や、教育資金(祖父母から孫へ)の贈与などが、

この「現金・預貯金等」に含まれているのです。

 

 

 

 

 

 

 

:非課税になる金額とポイントを知っておきましょう。

 

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いったい、いくらまでが非課税で、いくらからが課税なのでしょう。

 

住宅取得等の贈与に関しては、「非課税限度額」があります。

まずは、以下の金額を超えないように気を付けてください。

 

 

<住宅取得等の贈与の非課税限度額   2015.1.1~>

 

 

・期間/優良住宅/一般住宅

 

 

※消費税8パーセントで建てた場合

 

・2016.1~2017.9・・・(優良)1200万円/(一般)700万円

 

・2017.10~2018.9・・・(優良)1000万円/(一般)500万円

 

・2018.10~2019.6・・・(優良)800万円/(一般)300万円

 

 

 

 

 

※消費税10%で建てた場合

 

・2016.1~2017.9・・・(優良)3000万円/(一般)2500万円

 

・2017.10~2018.9・・・(優良)2500万円/(一般)1000万円

 

・2018.10~2019.6・・・(優良)1200万円/(一般)700万円

 

 

注※「良質な住宅用家屋」とは、省エネ等基準(省エネルギー対策等級4

(平成27年4月以降は断熱等性能等級4)相当以上であること、耐震等級

(構造躯体の倒壊等防止)2以上であること又は免震建築物であること)に

該当する住宅用家屋であること、一次エネルギー消費量等級4以上に該当する

住宅用家屋であること又は高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上に該当する

住宅用家屋であることにつき、一定の書類により証明されたものをいいます。

 

 

 

 

 

 

:非課税になるための様々な条件もチェックしましょう。

 

 

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(以下、国税局ホームページより)

 

・次の要件の全てを満たす受贈者が非課税の特例の対象となります。

 

 

 

  1. (1) 次のいずれかに該当する者であること。
    1. イ 贈与を受けた時に日本国内に住所を有すること。
    2. ロ 贈与を受けた時に日本国内に住所を有しないものの日本国籍を有し、かつ、受贈者又は贈与者がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがあること。
    3. ハ 贈与を受けた時に日本国内に住所も日本国籍も有しないが、贈与者が日本国内に住所を有している。
  2. (2) 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること。
    なお、直系卑属とは子や孫などのことですが、子や孫などの配偶者は含まれません。
  3. (3) 贈与を受けた年の1月1において20歳以上であること。
  4. (4) 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること。

 

 

 

 

 

 

 

・住宅取得等資金の範囲

 

住宅取得等資金とは、受贈者が自己の居住の用に供する家屋を新築若しくは取得又は

自己の居住の用に供している家屋の増改築等の対価に充てるための金銭をいいます。
なお、居住用の家屋の新築若しくは取得又はその増改築等には、次のものも含まれます。

 

 

 

  1. ・ その家屋の新築若しくは取得又は増改築等とともにするその家屋の敷地の用に供される土地や借地権などの取得
  2. ・ 住宅用の家屋の新築(住宅取得等資金の贈与を受けた日の属する年の翌年3月15日までに行われたものに限ります。)に先行してするその敷地の用に供される土地や借地権などの取得

 

 

 

ただし、受贈者の一定の親族など受贈者と特別の関係がある者との請負契約等により

新築若しくは増改築等をする場合又はこれらの者から取得する場合には、この特例の

適用を受けることはできません。

 

 

 

受贈者の一定の親族など受贈者と特別の関係がある者とは、次の者をいいます。

 

 

 

  1. (1) 受贈者の配偶者及び直系血族
  2. (2) 受贈者の親族((1)以外の者)で受贈者と生計を一にしているもの
  3. (3) 受贈者と内縁関係にある者及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの
  4. (4) (1)から(3)に掲げる者以外の者で受贈者から受ける金銭等によって生計を維持しているもの及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの

 

 

 

 

 

 

 

・居住用の家屋及びその増改築等の要件

 

 

 

  1. (1)  居住用の家屋の要件
    居住用の家屋とは、次の要件を満たす日本国内にある家屋をいいます。
    なお、居住の用に供する家屋が二つ以上ある場合には、贈与を受けた者が主として居住の用に供すると認められる一つの家屋に限ります。
  2. イ 家屋の登記簿上の床面積(区分所有の場合には、その区分所有する部分の床面積)が50平方メートル以上240平方メートル以下であること。
  3. ロ 購入する家屋が中古の場合は、次のいずれかの要件を満たす必要があります。
    1. (イ) 耐火建築物である家屋の場合は、その家屋の取得の日以前25年以内に建築されたものであること。
    2. (ロ) 耐火建築物以外の家屋の場合は、その家屋の取得の日以前20年以内に建築されたものであること。
    3. (ハ) 地震に対する安全性に係る基準に適合するものとして、一定の「耐震基準適合証明書」、「住宅性能評価書の写し」又は既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類により証明されたものであること。
    4. (ニ) (イ)から(ハ)のいずれにも該当しない家屋の場合で、その家屋の取得の日までに同日以降に耐震改修工事を行うことについて所定の手続きをし、かつ、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その耐震改修によりその住宅用の家屋が耐震基準に適合することとなったことにつき、一定の書類で証明されたものであること
  4. ハ 床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されるものであること。
  5. (2)  増改築等の要件
    特例の対象となる増改築等とは、贈与を受けた者が日本国内に所有する自己の居住の用に供している家屋について行われる増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替その他の工事のうち一定のもので次の要件を満たすものをいいます。
  6. イ 増改築等の工事に要した費用が100万円以上であること。なお居住用部分の工事費が全体の工事費の2分の1以上でなければなりません。
  7. ロ 増改築等後の家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されること。
  8. ハ 増改築等後の家屋の登記簿上の床面積(区分所有の場合には、その区分所有する部分の床面積)が50平方メートル以上240平方メートル以下であること。
  9. ニ 増改築等に係る工事が、一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」又は「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること。

 

 

 

 

 

 

 

 

・手続きについて

 

非課税の特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から

3月15日までの間に、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書

計算明細書、戸籍の謄本、住民票の写し、登記事項証明書、新築や取得の契約書の写しなど

一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

:贈与の際に気を付けることは?

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・配偶者の親から住宅取得等資金の贈与を受けた場合

 

自己の直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合には非課税の特例の適用を

受けられますが、配偶者の親は直系尊属には含まれませんので、この場合には

非課税の特例の適用を受けることはできません。

 

 

 

 

 

 

 

・祖父と父の両方から住宅取得等資金の贈与を受けた場合

 

贈与者ごとに1,500万円が非課税となるわけではありません。

贈与者が複数の場合には贈与を受けた金額を合計し、そのうち1,500万円までを

非課税とすることができます。

つまり、受贈者1人について1,500万円が非課税の限度額となっています。

 

 

 

 

 

 

 

・親から居住用の不動産の贈与を受けた場合

 

非課税の特例は居住の用に供する家屋の新築、若しくは取得、又は増改築等の

対価に充てるための金銭の贈与を受けた場合に限られていますので、

不動産の贈与を受けた場合には非課税制度の対象となりません。

 

 

 

 

 

 

 

・住宅ローンを返済するために金銭の贈与を受けた場合

 

非課税の特例は居住の用に供する家屋の新築、若しくは取得、又は増改築等の

対価に充てるための金銭の贈与を受けた場合に限られていますので、

住宅ローンを返済するための金銭の贈与を受けた場合には非課税の特例の対象となりません。

 

 

 

 

 

 

 

・住宅取得等資金が非課税となる金額以下の場合の申告の要否

 

非課税の特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から

3月15日までの間に、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に

計算明細書、戸籍の謄本、住民票の写し、登記事項証明書、新築や取得の契約書の写しなど

一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。

 

 

その他、国税に関する相談は国税局電話相談センター等でも行っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

:まとめ

 

・住宅取得等資金が非課税となるには、様々な条件がある。

 

・資金を受け取った翌年の3月15日までに完成するように計画する。

 

・不明な点は国税局に問い合わせる。