最近『ヒアリ』についてのニュースをよく耳に
しますが、家づくりにおいてもっとも注意が
必要で、共生が不可能な生物として
『シロアリ』がおります。
建物の基礎や柱、ついには家全体を劣化させ
有事には倒壊を招いてしまう憎き害虫ではあり
ますが、シロアリ自身も床下で雨風を防ぎ、
食べ繋いでいる「生き物」でもあります。
必死で生きようとする生物の命の灯火は、
薬剤を駆使してもそう簡単に断つことができる
ものではありません。
まずはシロアリの生態を知ることから、
新築時のシロアリ対策を考えてみては
いかがでしょうか?
シロアリとクロアリの違い
ただ「アリ」と言った場合に連想されるのは
黒い体のクロアリです。
クロアリの祖先は蜂、シロアリの祖先はゴキブリ
なので、色が違うだけではありません。
また、シロアリのことを「羽アリ」と呼ぶ場合
もありますが、「羽アリ」とは繁殖時期の羽が
ついているアリの総称であるため、クロアリの
羽アリも存在します。
そのため、もしも家で羽アリを見つけたら、
シロアリかクロアリかを見分け、シロアリの場合
なら早急の対策が必要になります。
シロアリのエサは?
シロアリは柔らかい木材だけを食べると思われて
いますが、実際は雑食で何でも食べます。
段ボールなどの人工物も食べますし、シロアリに
強いと言われているヒノキなどの固い木材でも
食べることがあります。
新築時のシロアリ対策
一般的に「防蟻」と言った時は、薬剤の塗布
または加圧注入によって、土台または構造部の
シロアリ被害を防ぐことを指します。
その方法としては、品確法・住宅性能表示基準の
劣化対策等級に則ることが代表的です。
最高等級である「劣化対策等級3」においては、
以下の対策が求められます。
【 土 台 】
土台に防腐・防蟻処理を義務付け
(ただし、集成材の場合多くは免除)
【 外 壁 】
外壁の軸組等に防腐・防蟻処理を義務付け
(ただし、集成材の場合多くは免除)
【 基 礎 】
べた基礎を採用、または土壌に防腐・防蟻処理
薬剤の効果は年々薄れていき、5年程度の経過で
再度の対策を検討する必要がありますので、
一通りの対策をとっても油断してはなりません。
施工者と連携してシロアリ対策を進めましょう。