今回は、代表的な工法の違いについて解説します。
ところで、「工法」とは何を指しているのでしょう。
「工法」というのは、
その建物をどのような部材で、
どのような構造で建築したかということです。
在来工法(木造軸組工法)について解説!
現在の木造と呼ばれる一戸建ては、ほとんどがこの在来工法となります。
工法といっても、総称のようなもので、
地域や技術のレベルの差など大きな幅があります。
在来工法では、伝統的な手法に加えて、
継手などを金物で補強して強度を増しています。
▶構造
鉄筋コンクリートの基礎の上に木材の土台、
柱、梁と組み上げて骨組みができます。
そこに筋かいや火打ち材、金物などの補強材で強度を高めていく工法です。
最近では構造用合板やパネルなどを用いて、
ツーバイフォー工法の「面」の強さを取り入れた軸組工法も多く採用されています。
▶耐震性
鉄筋コンクリート造などの重く硬い建物と比較すると、
意外かもしれませんが、在来工法の耐震性が劣るとは一概には言えません。
建物に加わる地震の力はその質量に比例するため、
木材の比重が軽い割には強いという性質は有利に働くからです。
斜め材(筋かい)や構造用合板などを使った耐力壁と
構造を補強する金物により地震に耐えるので、
必要な量の耐力壁をバランス良く配置することが大切です。
▶耐久性
木造住宅は湿気に弱いため、防湿、防腐、防蟻処理が必要です。
また、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較して耐久性は短く、
一般的には約30年位で大規模な修繕が必要と言われていました。
ところが、ここ10年で新築された住宅は、
なんと80年は住むことができるという調査結果が出ていますし、
実際に100年保証をうたった注文住宅も登場しています。
住む人がきちんとメンテナンスしていくことが大切ではありますが、
新しい法律の下施工された現在の住宅は、かなりの高寿命といえそうです。
▶施工性
施工する職人のレベルにより仕上がりに差が出やすい工法です。
ただし、現在はほとんどの会社が「プレカット工法」で加工された部材を採用しています。
大工さんの手作業の場合、
その人の技術や当日の天気などが品質に大きな影響を与えますが、
プレカット工法はコンピュータ制御、機械加工で、安定した加工品質の材料を生産できるため、
個々の事情による施工性の差というのは少なくなってきたようです。
(それでもやはり、熟練の腕を持つ大工さんが現場で手作業で加工し、組み立てたものにはかなわないそうですよ)
▶自由度
自由度は高く、様々な敷地にあわせた設計が可能です。窓などの開口部の位置や大きさも比較的自由に設計することができます。
(耐震等級3をとるためには、あまり大きな吹き抜けはNG、開口部も…などいろいろな決まりがあるため、自由度も下がりますのであしからず…)
▶工期
規模や条件によりますが、基礎工事が始まってから約5~6ヶ月となります。
2×4工法やプレハブ工法と比較すると長くなります。
▶コスト
他の工法と比べてコストを抑えることができます。
大手ハウスメーカーでは坪当たり70万円くらいから、
工務店では坪当たり60万円前後からとなります。
解体費も安価で、構造体が軽いため地盤への負荷が少なく、
地盤改良などの費用も抑えることができます。
▶増改築のしやすさ
他の工法と比べて、自由に増改築しやすいのが特長といえます。
まとめ
今回は、在来工法について解説しました。
次回もお楽しみに!