:土地を購入したい。何から始める?
今回は、土地を購入する場合、何を調べて何を準備したらよいかのお話です。
購入する土地が宅地であることを前提とします。
(土地の種別については、↓↓過去のブログ↓↓を参照)
①住宅を建築できる条件を知っておこう
都市計画区域内の敷地では、建築基準法で認められた道路に
2m以上接していなければ建物を建築することができません。
これが「接道義務」といわれるものです。
そして建築基準法が定める道路は原則として幅員4m以上で、
これに足りない場合は「敷地のセットバック」が必要になります。
敷地が狭いうえにセットバックが必要になってしまうと、
建築計画に大きな影響がある場合がありますので、ご注意ください。
②建ぺい率と容積率を知っておこう
敷地面積に対して、どれくらいの大きさの家を建ててよいか、
という規定もあります。
その上限を定めているのが、建ぺい率と容積率です。
◆建ぺい率・・・建築面積の敷地面積に対する割合で、「建坪(たてつぼ)」などともいわれます。
用途地域との組み合わせで30%から80%に定められていますが、
角地の場合の緩和、防火地域内での耐火建築物に対する緩和などがあり、
実質的に「制限なし」とされる場合もあります。
ここでいう「建築面積」とは、建物を真上からみたときの投影面積です。
◆容積率・・・延床面積の敷地面積に対する割合。
容積率200%なら、50坪の敷地に延べ100坪までの建物を建てられます。
建ぺい率と同様に、用途地域との組み合わせによって
50%から1300%の間で定められています。
道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限、高度地区による制限などにより、
容積率のすべてを使うことができない場合も少なくありません。
:土地の売買契約から建築許可がおりるまで
〇土地の売買契約
まずは買付!
■買付証明書とは?
気に入った土地が見つかって、その土地を購入したい場合、
不動産会社に買付(かいつけ)を入れてくださいと言われます。
買付とは、買付証明書(かいつけしょうめいしょ)のことで、
「●●万円でこの土地を買います」という書面です。
というのは、不動産の場合金額が大きいことと、
売主にとっては、どんな素性の人が購入意思をしてしているのか知りたいからです。
■買付証明書の内容は?
買付証明書の中には、必ず書く項目があります。
たとえば、この土地を●●万円で買いたいという、
買受の申し込みを売主に対してするわけですが、
それに対して、売主が有効期限内に承諾をすることで、
契約の準備が整った状態となります。
■ 値段交渉がある場合
例えば、土地を値切るとき、●●万円になれば買いますという場合は、
その買付証明の金額に希望の金額を書きます。
売主が、承諾してくれれば交渉成立ですし、
承諾してくれなければ、不成立となります。
■買付証明書の効力
次に買付証明書の効力についてですが、買付証明書に絶対的な効力はありません。
民法上では、買主からの申込みと売主の承諾で契約は成立するのですが、
不動産に関しては、例外を除き、その性質上契約書が必要となります。
また、不動産業者が居る場合は、重要事項説明をしてからの契約となります。
ですから、買付証明書を書いたり売主が承諾をした時点では、
まだ契約は成立しておらず、拘束力は発生しません。
しかしながら、トラブルを避けるためにも、
買付証明書を書くときは、売主が承諾すれば契約するという意思をもって書くようにしましょう。
■契約を結ぶ
売買契約の締結前に宅地建物取引士より重要事項の説明を受けます。
契約締結と同時に売主へ手付金を支払い、仲介業者に対しては仲介手数料の半金を支払います。
手付金は土地売買代金の10%程度のことが多いで進めが、契約によって異なるので確認しましょう。
仲介手数料は、全額を決済時に支払う場合もあります。
また、土地購入代金にローンを利用する場合には、売買契約締結後すみやかに申し込みをします。
〇土地の決済
残金を支払って土地の引き渡しを受けます。
残金にローンの融資金を充てる場合には、
金融機関との間でローンの契約を結び、融資を実行してもらいます。
土地の引き渡しを受けるのと同時に、所有権移転登記およびローンを借りた場合には
抵当権設定登記の申請手続きをします。
媒介業者に対しては媒介手数料の残りの半金を支払います。
〇古家解体・整地作業
更地渡しを条件としなかった場合には、
土地の引き渡しを受けてから古家の解体工事や整地作業をすることになります。
ただし、建築の依頼先がすでに決まっている場合には、
建築工事に合わせて古家の解体工事を任せることもできます。
更地渡しを契約条件とした場合には、土地の引き渡し前に古家解体工事や整地作業が行なわれます。
〇測量・地盤調査
実測図がなく、測量を売買契約の条件としなかった場合には、
あらためて敷地の測量が必要となります。
また、地盤の強度に合わせた適切な基礎を造るためには、地盤の調査も必要です。
ただし、敷地測量や地盤調査を買主の費用負担としたときでも、
交渉により土地の引き渡し前にこれらを実施することができる場合もあります。
売買契約の条件が実測売買のとき、または公簿売買でも測量を条件とした場合には、
土地の引き渡し前に測量が行なわれます。
〇基礎工事開始
建築する建物の建築確認届が受理されれば、工事に着手することができます。
いかがでしたか?土地を購入する際の参考にしていただければ幸いです。