:「基礎」と「土台」はちょっと違います。
写真:㈱SAMATA施工事例より
上段・・・(左)ベタ基礎、(右)基礎+土台
下段・・・土台+断熱床材
前回は地盤の調査方法を中心にご紹介しました。
続いて行われるのは基礎工事です。
よく、「家は、土台がしっかりしていないと!」
なんて一括りにいいますが、建築工程では、基礎と土台は別のものです。
上記の写真で、コンクリートの迷路のようなものが基礎で、
その上に木材が取り付けられ、土台と床断熱工事に移行していきます。
基礎工事も様々な工程があります。
今回は、基礎工事の流れについてご紹介します。
:まずは、基礎をつくるための作業から。(ベタ基礎編)
※写真/㈱SAMATA施工事例より
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まず、建物の基礎を作るために土を掘削し、それを平らに仕上げます。
これを根伐り、床付といいます。
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次に、砕石を5cmほどの厚みで敷き、転圧します。
この段階で、一度 防蟻処理 をします。
日本では、北海道の一部を除いてシロアリは随所に生存します。
なので、土壌、柱、外壁ともに防蟻処理が必須なんです。
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続いて、砕石の上に防湿フィルムを敷いて、
外周部には捨てコンと呼ばれる下地となるコンクリートを
深さ5cmほど流し込み、平らな面を作ります。
コンクリートから管が出ているのは、
給水管などを通す、さや管といわれるものです。
給排水管を直接コンクリートに埋め込まず、さや管に通すと、
交換がしやすいので、維持管理対策等級が最高級の3となります。
給排水管の寿命は30年程度といわれますが、長期優良住宅になると、
この給排水管をチェックするための点検口をさらにつくったりします。
そして、基礎のコンクリートを流し込む前に、配筋作業を行います。
ベタ基礎の場合は、耐圧盤と呼ばれる床面が必要となり、
立ち上がり部分と一緒に鉄筋が組み込まれます。
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いよいよ、基礎のコンクリートを打設します。
最初に耐圧盤、
それがしっかり硬化すると、立ち上がり。
コンクリートが水としっかり化学反応を起こして固まるように、
水分が逃げないように養生します。
養生しないと、夏場は急激に乾燥したり、冬場は凍結して水分がなくなったり、
ひび割れの原因となります。
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養生のあと、型枠を外すと、基礎の完成です。
建築基準法では、基礎の地盤面から立ち上がりの高さは
30cm以上となっています。
立ち上がりの高さがあると、
雨の跳ね返りや、地面からの湿気の影響を受けにくくなり、
木部の劣化、白アリの被害の低減などにつながります。
この高さが不足していることによるトラブルもあるそうなので、
施工中には現場に足を運んで、いろいろとチェックしておくと
良いかもしれません。
写真をみると、建物内側の基礎の間に、
穴のような、通り道のようなものがあるのがわかりますか?
これは、床下のメンテナンスを行う際に、
床下を通れるように作られている人通口と呼ばれるスペースです。
幅60cm、高さ40cm程度が一般的です。
また、この人通口の部分は、コンクリートがないので、
強度の面から耐圧盤の鉄筋を補強したりします。
:意外な出費?ライフライン整備にかかる費用や特殊仮設工事なる費目。
例えば、購入した土地が畑だった場合は、ライフラインは未整備状態。
上水道を引っ張ってくる、
下水道は道路より高く・・・、
など、場合によっては200万近くかかるケースもあります。
もう一つ、意外な出費は「特殊仮設工事」なる費目。
これは、周辺の道路が狭く、職人さんの車を駐車したり、
荷下ろししたりするスペースがない場合に生じるものです。
離れた場所に駐車場を借りたり、そこからの運搬をしたり、
ガードマンを立たせたりするなどといったことになると、
数十万円かかるケースもあるのです。
契約後に意外な出費で困らないように、
予め調べておきたいですね。
次回は、土台敷きの工事をご紹介します。